はじめに
こんにちは。
今回はインターネット大会「ウォーターパラダイス」に参加しました。
準伝、禁伝以外の水タイプのみが参加できるシングルバトルです。
使用ポケモン等は以下を参照してください。
【下書きプレビュー】 ウォーターパラダイス Sライン他 - この青空にあくびループ
久しぶりに時間を取って考察したうえで参加できたので書き留めておこうと思います。
戦績
メイン
最高1863 最終1764
サブ
最高1822 最終1785
とりあえず1830という目標は達成できて良かったです。
ただ、12戦残してこのレートだったんですが色々あってこうなりました。かなしい。
考察の流れ
軸を決める
このルールが発表された際に真っ先に感じたのは、
自信過剰ギャラドス
が分かりやすくパワーのあるポケモンであることです。
このプールでは水技を搭載する必要がなく、広い技範囲でプール内の全ての相手に等倍以上(ほとんどに抜群)のダメージを与えることが出来ます。さらにソクノの実を持てば電気技でも倒すことは難しいです。
ですが、ギャラドスを使う側に回ると
・パワーウィップ・飛び跳ねるの外しや同速負けなどの運要素
・相手のダイマックスを誘発させながら裏に引くなどの不安定な立ち回り
などによってどうしても勝率が落ちてしまうと考えました。
そこで、ダイマックスギャラドスに対する切り返しから考えることにしました。
ギャラドスに対する切り返しとして考えたのは次の3つです。
①トリックルームによる切り返し
②襷や頑丈による切り返し
③ダイマックスによる切り返し
順に解説していきます。
①トリックルームによる切り返し
ダイマックスギャラドスに対し、襷やリンドを持つことで一発耐えながらトリックルームを張り、トリルエースで抜いていく動きです。
ギャラドスに対しトリラーを死に出しする都合上トリラーを2匹目に置く必要があり、必然的に初手ダイマックス+トリラー+トリルエースという選出になります。
ですが、トリックルーマーで自主退場技を持っているポケモンはクイックターンを覚えたスターミーだけで、ダイウォールなどでトリルターンを稼がれやすい点、トリルエースとして考えられる眼鏡ラプラスや鉢巻シザリガーもトリルターン中に試合を決められるほどのパワーはない点、また展開が一方的で初手の出し勝ち、出し負けに勝敗が依存しがちな点が強いとは思えず、あえなく没となりました。
②襷や頑丈による切り返し
ダイマックスギャラドスに対し、襷や頑丈等の行動保証を持ったポケモンを死に出しし、ダイマックスターンを稼ぐことで切り返す動きです。
カブトプスは
襷を持って岩石封じ+堪える等でダイマックスターンを枯らしながら砕ける鎧で素早さを逆転させ、ダイマックスが終わった後に倒す動き、
ジーランスは
頑丈を盾にしながらあくび+堪えるなどで後続が倒しやすくする動きが可能です。
これらはギャラドスだけでなく他のダイマックスポケモンに対しても同様の動きが出来る点は非常に評価出来るのですが、「相手がダイマックスを切っている状態」で最大のパフォーマンスを発揮できるポケモンである以上、初手のポケモンは相手のダイマックスを誘発するために圧力の高い弱点保険ダイマックス枠等になりやすいと思っています。
その場合、①と同様に初手の出し負けやうまくダイマックスをいなされた際に負けに直結するデメリットがやはり挙げられます。
また、数こそ少ないもののカブトプスは特殊ダイジェット持ちのギャラドスには突破されてしまいますし、ジーランスはステルスロックを撒かれている場合堪える択が発生してしまう点も不安要素でした。
③ダイマックスによる切り返し
ダイジェットを積みA+1、S+1になったギャラドスに対し、リンドの実とダイアタックを所持した水ロトムであればソクノの実を持ったギャラドスに対しても切り返すことができます。
ロトムHP | ギャラHP | ロトム行動 | ギャラ行動 | ターン数 |
---|---|---|---|---|
141 | 342 | (A↑1 S↑1) | ||
282 | 342 | ダイマックス | 1 | |
152 | 342 | (リンドの実) | ダイソウゲン(A↑1 S↑1) | 1 |
152 | 284 | ダイアタック | (A↑1) | 1 |
152 | 284 | ダイウォール | 2 | |
152 | 142 | ダイマックス終わり | 2 | |
152 | 0 | ダイサンダー | (ソクノの実) | 3 |
この動きはギャラドス単体ではほぼ対策しようがなく、並びでの対策を強要出来るため立ち回り勝負に持ち込めると考えこちらを選択しました。
この時点で、
・ギャラドスのダイマックスに対しロトムのダイマックスで切り返す
・最低限のサイクルを回せる構築にする
・立ち回りで全対応を目指す
(下2つを考えないならば初手ダイマで良いため)
を満たす構築を目指すことが決まりました。
3匹目のポケモンを決める
さて、ギャラドス側もロトムを対策しなければいけませんが、ギャラドスを通す勝ち筋を追う以上交代からロトムに役割を遂行できるポケモン、すなわち電気無効枠が対策として入ってきます。
①裏が地面タイプの場合
+
この組み合わせにはフリーズドライが一貫するため、裏に引いたギャラドスと地面枠のポケモンに対し上から攻撃できるスカーフラプラスを採用しました。
②裏がランターンの場合
+
この組み合わせの対策には非常に苦心しました。いくつか考えた結果没になったポケモンを紹介します。
・
からやぶ+岩技地面技で雰囲気ギャランターンに強そうな奴ら。
岩技の命中率と選出択によって安定しなさそうで没。
・@珠 逆鱗/岩技/地震/けたぐり
ロトムを出さずにダイマ枠を明け渡すプラン。こちらも選出択が辛い点と水妖勢に勝てないにも関わらずダイマックス前提の性能なのが個人的に納得出来ず没。
・@残飯 電気技/渦潮/身代わり/ど忘れ
ランターンに強いランターン。水地面(特にガマゲロゲ)に弱い点と相手も同じ型だった際にお互い引けずTOD勝負になって安定しないので没。
結局のところ、ランターンというポケモンの単体性能が低く、信用しているプレイヤーと信用しておらず見せポケにしているプレイヤーに二分されている点が問題でした。
明確な対策枠を設けても選出択にしかならないと感じたため、他のポケモンにもある程度対応しつつ緩く対策する方針にしました。
ギャラドスとランターンが共に有限サイクルであることに着目し、ランターンに後投げでき宿り木で負荷をかけられる残飯ルンパッパを採用しました。
先発ポケモンを決める
さて、基本選出の後ろ2匹がロトム+ラプラスorルンパッパと決まったところで、初手に投げるポケモンを考えていきましょう。
初手に投げるポケモンとして求められる性能は、
・対面性能が高く、ダイマックスを切られなければ勝てる相手が多い
・ジーランスやラグラージといったステロ撒きに対しステロ+あくびループに持ち込まれない
・削れた状態でギャラドスと対面しても起点にされない
あたりでしょうか。
まず初めに思い付いたのは、チョッキドククラゲです。
はたき落とす+ギガドレインでほとんどの特殊ポケモンに撃ち勝てる性能があり、ギャラドスに対してもはたき落とすを撃っておくことで裏のロトムがダイアタックを撃つまでもなくダイサンダーで倒すことができます。
しかし、ドククラゲでは初手に来やすいポケモンの中では襷シザリガーや襷パルシェン、サイコショックや弱点保険を持ったスターミーに勝てません。
その辺りのポケモンに勝てるかつ上記の条件を満たせるポケモンが襷サメハダーしかいなかったのでこれを採用しました。
最後に、初手のサメハダーミラーが不毛すぎる点と、マリルリやウオノラゴン等のギャラドス以外の物理ダイマックスが少々重めな点を考慮して、つぶらなひとみを覚えた弱点保険アシレーヌを採用し、完成となりました。
個体紹介
ロトム
浮遊/リンドのみ
臆病 H124 B4 C124 D4 S252/141-*128-141-128-151
10万ボルト/ハイパーボイス/悪巧み/エレキネット
・陽気マリルリのダイフェアリー確定耐え
・非ダイマ状態での陽気珠ギャラドスのダイジェット+ダイマ状態でのダイソウゲンをリンド込みで確定耐え
・非ダイマ状態での意地珠ギャラドスのダイジェット+ダイマ状態でのダイソウゲンをリンド込みで213/256で耐える
・意地ギャラドスの∔1ダイソウゲンをリンド込みで15/16耐え
・H4振りダイマギャラドスをダイサンダーで確定1発(非ダイマソクノギャラドスが確定1発)
・最速
構築の軸として最初に採用しました。
当初の予定通り対ギャラドスに対する動きでは安定した活躍を見せてくれました。
技構成は安定打点の10万ボルトとダイアタック媒体のハイパーボイスの2つでメインの攻撃技は完結しているため火力上昇の悪巧みまでは確定で、ラストの枠はエレキネットを採用しました。
上で対ギャラドスの動きについて触れましたが、実はこちらがダイアタックを撃つターンにダイジェットを積まれると、飛び跳ねるでこちらのダイマックスを枯らされ突破されてしまいます。(Cを削ったロトムではダイマックスギャラドスへのダイアタック+通常ギャラドスへの10万ボルトではソクノの実を持っていた場合倒せない)
そのため、飛び跳ねるを撃たれたターンにエレキネットを当てることでソクノの実を消費させつつS関係を逆転させ倒すことが出来ます。
ロトムHP | ギャラHP | ロトム行動 | ギャラ行動 | ターン数 |
---|---|---|---|---|
141 | 342 | (A↑1 S↑1) | ||
282 | 342 | ダイマックス | 1 | |
192 | 342 | ダイジェット(A↑1 S↑2) | 1 | |
192 | 284 | ダイアタック | (A↑1 S↑1) | 1 |
192 | 284 | ダイウォール | 2 | |
192 | 142 | ダイマックス終わり | 2 | |
192 | 142 | 飛び跳ねる(A↑1 S↑1) | 3 | |
192 | 142 | ダイサンダー(外れる) | 3 | |
96 | 142 | ダイマックス終わり | 3 | |
36 | 142 | 飛び跳ねる(A↑1 S↑1) | 4 | |
36 | 68 | エレキネット | (ソクノの実) | 4 |
36 | 0 | 10万ボルト | 5 |
また、ギャラドス側がロトムに抗う方法としてはダイマックスを切らずにポケモンを倒し自信過剰を発動させ、ロトムのダイマックスを誘って裏に引くという方法があります。しかし、珠でなければ+1ダイソウゲンを耐えるためギャラドスのダイマックスを読んでダイマックスを切るor裏に引くのを読んでダイマックスを温存するという択をエレキネットによって1回先延ばしにすることが出来る点も偉かったと感じています。
構築的に弱点保険マリルリを完全に対策することは出来ていないので、弱点保険マリルリの気配を感じたら初手に投げて悪巧みを積みにいくプレイングをすることもありました。
ラプラス
貯水/拘りスカーフ
控え目 C252 D4 S252/205-94-100-150-116-112
フリーズドライ/10万ボルト/角ドリル/滅びの歌
スイーパーとしての採用。
環境に存在するポケモンの中では唯一フリーズドライの一貫を切れるポケモンであり、構築にいるだけで意味のあるポケモンだと感じています。
技構成は一致技で採用理由であるフリーズドライ、スカーフラプラスに対して撃ちダイサンダー媒体にもなる10万ボルト、ダイアタック媒体になる技の中で一番強そうな角ドリル、ダイウォール媒体としてオクタンやドヒドイデに対して詰めに使えそうな滅びの歌としました。
あまりダイマックスをすることはないですが、相手のダイマックスをいなしながら壁を張り後続につなげる立ち回りが強いこともあるので、常にその意識はもって戦っていました。
特性は滅びマリルリの渦潮でバインドされなかったり、ルンパッパ対面ダイストリームでSを上げられない貯水にしましたが、正直シェルアーマーでも問題ないと思います。
ドククラゲ
ヘドロ液/突撃チョッキ
おっとり A4 C252 S252/165-91-76-145-141-152
ヘドロウェーブ/ギガドレイン/はたきおとす/つるぎのまい
・無振り突撃チョッキドククラゲがヘドロウェーブ+A↑2叩き落とす(持ち物あり)+A↑2叩き落とすで3884/4096で落ちる
・H振りチョッキルンパッパがヘドロウェーブ2発で177/256で落ちる
・陽気マリルリのダイジェットを15/16で耐える
・最速ロトム抜き
物理アタッカーが少ない環境において非常に対面性能が高いポケモンでした。
技構成は上記の通り対ドククラゲ、対ルンパッパへの乱数が変わるためヘドロウェーブ、多くの相手にメイン打点となるギガドレイン、弱点保険やスカーフのケアが出来る叩き落とす、そして初手のドククラゲミラーに勝つために剣の舞を採用しました。
チョッキなのに剣の舞?と思う方も多いかもしれませんが、ドククラゲは初手に投げられることが多くミラー対面が起きやすいこと、裏にドククラゲに後投げできるポケモンがおらず、クラゲミラーに負けると裏のポケモンが叩き落とすを被弾してしまうことから絶対に勝ちたい対面です。
そこで、ドククラゲ同士が対面した際、基本的には叩き落とすをお互い撃ちあうことを利用して剣の舞を搭載しました。
これにより、
叩き落とすがない→チョッキ対非チョッキなので撃ちあいに勝てる
叩き落とすがある→剣の舞を積むことで1ターン早く倒せる
となりミラーにかなり有利になります。
この枠は凍える風を入れている人が多かったと感じますが、個人的には必須技だとは感じておらず剣の舞も十分に選択肢に入る技だと思いました。
また初手だけでなく後発から投げても十分強く、アシレーヌや特殊ルンパッパに後投げ出来るという固有の性能がある上にダイマックスを切っても強く構築全体として柔軟な動きを可能にしてくれた存在でした。
サメハダー
加速/気合いのタスキ
意地っ張り H4 A252 S252/146-189-60-*-60-147
嚙み砕く/インファイト/岩石封じ/アクアジェット
・H4振りジーランスに対して噛み砕く+インファイトがBダウン考慮で311/320で落ちる
ドククラゲと非常に補完が取れている先発枠。
技構成は対スターミーに撃ち一貫性の高い噛み砕く、ラプラスやジーランス等に大きなダメージを与えられるインファイト、ギャラドスやパルシェンに撃つ岩石封じ、最後にシザリガーに勝てたりジーランスのイバンを無視して突破出来るアクアジェットで埋まりました。
この構成だと控え目ドククラゲに下からギガドレインを撃たれると撃ち負けてしまうので、意地っ張りでの採用としましたが、スカーフロトム等に上から2回動かれてしまうので一長一短ではあります。
初手に投げる回数はドククラゲに次ぐ程度でしたが、構築的に足りないところをカバーしてくれる存在でした。
ルンパッパ
雨受け皿/食べ残し
穏やか H76 D244 S188/165-*-90-110-166-114
ギガドレイン/宿り木の種/守る/身代わり
・HP4n+1
・控え目ラプラスのフリーズドライを12/16で耐える
・臆病ロトムのC↑2ダイサンダーを15/16で耐える
・控えめランターンのボルトチェンジを身代わりが確定耐え
・準速ラプラス抜き抜き
ランターンやロトム、アシレーヌなどに強く、また搦め手を使ってくるトドゼルガ、ナマコブシなどを完封出来る枠。特性は唯一有効に働く可能性のある雨受け皿での採用です。
このルールでは誰かに身代わりを仕込む重要性を感じており、それを担える点も偉かったです。
ラプラスと対面しても最低限突っ張れるレベルまでD方面は高めており、宿り木の種を撃った後相手のラプラスが遅い場合はそのまままもみがで嵌めていき、速い場合(ほぼスカーフ)はラプラスに引くことで疑似的にフリーズドライの一貫を作る動きもできるのも良かったです。
ルンパッパはギャラドスの起点にされるのが弱点ではありますが、宿り木の種+身代わりの存在によって安易な積みを許さない点も評価していた点でした。
前述の通りギャラ∔ランターンに投げることもあるのでその場合は積極的にギャラ引きを読んで宿り木を当てに行くことを意識して立ち回っていました。
アシレーヌ
激流/弱点保険
控え目 H252 B100 C4 D148 S4/187-84-107-161-155-81
ムーンフォース/エナジーボール/つぶらなひとみ/アクアジェット
・陽気マリルリのダイジェット+A↓1ダイジェットを確定耐え
・臆病ロトムの眼鏡10万ボルト確定耐え
・控え目ラプラスのフリーズドライ2耐え
こちらもドククラゲ、サメハダーと補完が取れている先発枠です。
アクアジェットの存在が大きくサメハダーやシザリガー、パルシェンなどの襷からやぶ勢やジーランスに対して仕事をさせずに倒すことが出来ます。
つぶらなひとみはギャラドスの起点回避を可能にするだけでなく、マリルリやウオノラゴンといった他の物理ダイマックスポケモンに対しても有効に働き、これらを最低限誤魔化すことが出来る非常に優秀な技でした。
対ラプラスは勝つことが出来ますが対ロトムは悪巧みを積まれて勝てないことが多く、積極的に選出することはありませんでしたが刺すべきところにしっかりと仕事をしてくれました。
おわりに
「特殊ルール」の良い点は全員が平等な立ち位置からスタートできる点だと思っているので、こういったルールに久しぶりに取り組めて非常に楽しかったです。
個人的には、全対応を目指す身としてプールが狭いルールの中でも見せポケのいない、全員を選出出来る構築を組めたことは良かったと感じています。
また、余談ですが最終日の夜にひどく体調を崩しパフォーマンスを落としてしまったこともあり体調管理の大事さを本当に実感しました。最近体力の衰えを感じるのでこの辺は日頃から気を付けないとだめですね…
では、また次のインターネット大会で会いましょう。
(サムネ用)
潮騒に誘われて…