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【新春!おみくじバトル】指振り呑気サイクル【最終1809 2位】

☝️はじめに

こんにちは、あけましておめでとうございます。
今回はインターネット大会「新春!おみくじバトル」に参加しました。
指を振るを覚えたポケモンだけが参加できるシングルバトルです。

少し長くなってしまったので、下の目次から見たい項目に飛んでもらえると幸いです。

☝️戦績

TNくるみ 最終1809 2位

安定してレートを上げることが難しいルールだと思いますが、なんとか1800に乗せられてよかったです。

☝️考察の流れ

このルールが発表された時、TLでは運ゲーだという声が多かったです。
しかし、少なくともポケモン間で種族値や相性の差がある以上、全ての人の勝率が5割に収束する訳ではありません。
そのため、運要素は確かにあるものの構築や立ち回りによって勝率をあげることは可能です。
まずは、指を振るについてまとめるところから始めました。

1. 指を振るの基礎知識

1.a 指を振るの仕様

以下の技は選ばれません。
ノーマル いびき こらえる ねごと へんしん ものまね ゆびをふる このゆびとまれ しぜんのちから てだすけ まもる ほしがる フェイント まねっこ おさきにどうぞ テクノバスター おいわい てをつなぐ 
    Vジェネレート トラップシェル ビックリヘッド かえんボール
    こんげんのはどう スチームバースト いのちのしずく すいりゅうれんだ
電気   プラズマフィスト オーバードライブ オーラぐるま サンダープリズン
    ニードルガード Gのちから えだづき ジャングルヒール トラバサミ ドラムアタック りんごさん
    コールドフレア フリーズボルト ブリザードランス
格闘   カウンター きあいパンチ みきり しんぴのつるぎ ファストガード たたみがえし スターアサルト ボディプレス らいめいげり 
    トーチカ ゲップ
地面   サウザンウェーブ サウザンアロー だんがいのつるぎ
飛行   ガリョウテンセイ
エスパー ミラーコート トリック さいはい フォトンゲイザー いてつくしせん
    いかりのこな
    ワイドガード ダイヤストーム
ゴースト みちづれ シャドーレイ シャドースチール アストラルビット
ドラゴン ソウルビート ダイマックスほう ドラゴンエナジー ワイドブレイカー  
    どろぼう すりかえ さきおくり バークアウト あんこくきょうだ どげざづき ブロッキング もえあがるいかり 
    キングシールド ダブルパンツァー メテオドライブ きょじゅうざん きょじゅうだん てっていこうせん
フェアリートリックガード しぜんのいかり フルールカノン デコレーション ワンダースチーム
タイプなし:わるあがき

  • 溜め技、2ターン以上連続で続く技を拘り系のアイテムを持ったポケモンが使用した場合、1ターン目は成功するが、2ターン目以降は失敗します。
  • メトロノームは指を振るによって同じ技が続けて出た場合に限り効果があります。
  • 指を振るで出た技を特性呪われボディで金縛り状態にした場合、指を振るが金縛り状態で使えなくなります。溜め技、2ターン以上連続で続く技については、1ターン目に呪われボディが発動した場合は指を振る、2ターン目以降の発動ではその技自体が金縛り状態になります。

 

1.b 指を振るで出る技

指を振るで出る技の分類は以下の通りです。(集計間違ってたらごめんね)

物理:223 (40.2%)
特殊:146 (26.3%)
変化:186 (33.5%)
--------
全体:555

物理>変化>特殊の順で出る確率が高いです。


各タイプの攻撃技の出現確率は次に示す表の通りで、ノーマルタイプ、格闘タイプの攻撃技が特に出やすくなっています。(一撃技や固定ダメージの技等も含んでいることに留意)

タイプ 物理 特殊 出現率
ノーマル 47 11 10.45%
ほのお 9 20 5.23%
みず 9 16 4.50%
でんき 10 13 4.14%
くさ 13 12 4.50%
こおり 7 9 2.88%
かくとう 26 4 5.41%
どく 6 9 2.70%
じめん 11 4 2.70%
ひこう 11 6 3.06%
エスパー 3 14 3.06%
むし 12 4 2.88%
いわ 10 3 2.34%
ゴースト 10 3 2.34%
ドラゴン 8 8 2.88%
あく 16 2 3.24%
はがね 13 2 2.70%
フェアリー 2 6 1.44%



また、指を振るで出る技の威力期待値(1ターンあたり)は以下のようになっています。

物理:26.0
特殊:19.3

期待値で全てを語るべきではないですが、基本的には攻撃面はAを優先的に伸ばし、防御面はBを優先的に伸ばすべき、ということになります。


特殊な技の確率についても触れておきます。
自主退場技:1.26%
一撃必殺技:0.72%
直接攻撃技:33.33%(攻撃技の中では50.14%)

特に着目すべきは自主退場技の確率で、1.26%と決して低くない確率で出てしまいます。
自主退場のリスクを頭に置きながら指を振っていく必要があります。

2. ルール

2.1 ルール詳細

・「ゆびをふる」のみを覚えたポケモンが参加可能

・伝説・幻・準伝は禁止(バドレックス・ジラーチ等)

・その他は通常シングルと同じ

  • シングル63
  • 総合時間20分、持ち時間7分、選択時間45秒
  • ダイマックスあり
2.2 ルールの特徴

USUMのS15のスペシャルレートも同じ「指を振る」ルールでしたが、大きな違いが二つあります。

一つ目は、総合時間があることです。
前述した通り、指を振るで出る技の威力期待値はそこまで高くなく20分では相手3匹を倒し切ることが難しいので、基本的にTODでの決着となることが多いです。

二つ目は3体選出であること、すなわち"交代"が出来ることです。

"指を振らない"という選択肢が増え、数的有利であったりHP割合に大きく差が開いている時に自爆系の技を出すリスクを回避することが出来るようになりました。

アイテムという視点では、相手が指を振るを選択してはじめて発動するゴツゴツメットの価値は相対的に下がり、相手の選択に関わらず発動する食べ残し(黒いヘドロ)の価値が上がっています。
(余談だが、USUMのスペレではゴツメジラーチが環境トップのポケモンだった。残飯でなくゴツメの理由は、1対1のルールかつ特性呪われボディのゲンガーの存在により決着ターンを早める必要があったからである)

3. 構築の経緯、選出

ノワール
使用可能ポケモンの中で最も被ダメージ期待値が低く、対面性能が最も高い。(と思っている)

オーロンゲ
特性「悪い手癖」によって直接攻撃してきた相手の持ち物を奪うことが出来る。特に受け出し時に発動する特性であるため最強アイテムの食べ残し持ちに対してプレッシャーをかけられる。

カビゴン
単純な数値は一番高く、ヨノワールの次に対面性能が高い。

ゲンガー
オーロンゲに妨害されない無限駒。黒いヘドロが実質固有アイテム。

この4体は個人的には入れない理由がないレベルで数値、特性などが優秀だと感じた。

その中でも最も性能が高いヨノワールと、相手の残飯持ち(主にヨノワール)に安易に動かれないためのオーロンゲの選出は必須に思えた。

そこで、基本選出を次のように定めた。
サマヨールとオーロンゲがいない場合)
+
サマヨールorオーロンゲがいる場合)
+

ゲンガーはヨノワールと合わせて無限位置が2枚になるためサマヨール入りへの安定感が増し、またオーロンゲ入りにも安定して動かせる点は評価が高い。
だが、どうしても上記の4匹の中では数値の低さが露骨に現れるポケモンではあるので、鉢巻や眼鏡の高火力で押し切ってくるような構築にはカビゴンを選出するつもりで考えていた。

さて、カビゴン選出パターンではヨノワール視点で厄介なポケモンがいないので誰が来てもある程度有利を取れていそうだが、ゲンガー選出パターンでは有識者同士でゲンガーヨノワロンゲの3匹ミラーすることが考えられる。
そのため、別の選出をしてミラーを解決できないかを2週間考え続けた。
その過程を簡単にまとめる。

アプローチ①:鉢巻or眼鏡を用いる
()()()等…

選出パターン
鉢巻or眼鏡枠++
→オーロンゲがいないため、中盤以降ヨノワールに指を振られると不利。

鉢巻or眼鏡枠++
→ゲンガーミラーで呪われボディを引いた際、有限位置にしか引けずTOD判定が厳しい。

鉢巻or眼鏡枠++
→鉢巻を相手のロンゲに押し付けてヨノワールを動かしたいが、ゲンヨノワサイクルに対して有効打を引けないと厳しい。鉢巻枠で殴るのが序盤になってしまうので、与えたダメージも回復されてしまう。

アプローチ②:TOD狙いの選出をする
+

ミラーの解決としては比較的アリな選出ではあり、オーロンゲ入りにはヨノワールで絶対に指を振らないと決めている人ならば有利になると思うが、ほとんどの人は一生オーロンゲが出てこないのを見てヨノワールを動かし始めると思っていたのでイマイチ信用できず。

アプローチ➂:残飯枠を変える
()+

残飯枠のHPで大きく差をつけていてTODでは有利ではある。が、立ち回りの項で後述するがゲンガーのPPが非常に重要であり、相手のゲンガーに16回指を振らせてしまう点と、ゴーストタイプのヨノワールと違い一撃技の被弾率やバインドなどの事故が多い点まで踏まえると、この選出は五分だと思っている。
それならば、下のレート帯への勝率を上げられるヨノワール残飯の方が総合的には良さそうに感じた。


結局、ゲンガーヨノワロンゲの3匹に5割以上勝てる選出が思いつかなかったので、立ち回りで差をつけるしかないと考えました。

4. ミラーの立ち回り

vs()

前提条件
①安全に連続して指を振れるのはゲンガーだけ
(ヨノワールはオーロンゲ引き、オーロンゲはゲンガーの前では安易に指を振れない)
②基本的に指は振った方が強い
→もちろん自爆技を引くリスクもあるが、有利状況になるためには指を振らなければいけない
→ミラーでは指を振る回数を増やすことが勝率を上げることに繋がる

安全に指を振れるのはゲンガーだけですが、当然ですが常にゲンガーで指を振り続けるわけにはいきません。なぜなら、20分が立つ前に指を振るのPPが切れてしまうからですね。
そのためどのタイミングで指を振るべきかを考える必要があります。

結論から言ってしまうと、試合後半にまとめて振ることだと思っています。
序盤に指を振って出したダメージはゲンガー、ヨノワールの黒いヘドロ、食べ残しで試合が進むにつれて回復されてしまいますし、まとめて振らない場合も同様に回復アイテムの前では無駄になってしまうことが多いです。

そのため、序盤はゲンガーノワールの交換を繰り返すプレイングをします。

このプレイングの利点
・相手のゲンガーの指を振るのPPをプレッシャー絡みのサイクルで減らせる。
・自分のゲンガーの指を振るのPPを後半まで節約できる。
・ヨノワールに対してオーロンゲが繰り出された際、釣り交換のような形になり、相手のオーロンゲに指を振らせることなく裏にオーロンゲがいることを確認できる。


相手も同様のプレイングをしてきた場合、ゲンガーのPPに差が付きません。
ですが、前提条件で述べた通りミラーの勝率を上げるためには、指を振る回数を増やすことが大事です。
そのため、ゲンガーだけでなく、他のポケモンで指を振ることを考えます。

そのための布石として、しばらくお互いのゲンガーとヨノワールを交換する展開が続いた場合、相手のヨノワール→ゲンガー引きにオーロンゲを合わせる”見せロンゲ”をすることで、相手のヨノワールを更に動かしづらく出来ます。そして、ヨノワール対ヨノワールの対面が出来た際に指を振ることで、裏のゲンガーに攻撃を当てにいきます。

このプレイングの利点
・ヨノワールで指を振った回数分相手より指を振れるので、その分有利になる。
・ゲンガーオーロンゲ対面が出来るので、相手のゲンガーに指を振らせてPPを削れる可能性が上がる。
・なにより、ヨノワールにオーロンゲを後投げする行動は不自然なことではない。


ここまで読んで、わざわざヨノワールが引くターンにオーロンゲを出すのではなく殴ってくるターンにオーロンゲに引いた方が強いんじゃないか?と思う人もいるかもしれません。
指を振るの仕様の項で少し触れましたが、接触技が出る確率は33.3%、攻撃技の中での確率は50.1%です。確かに残飯を奪えばかなり勝ちには近付きますが、そうでない場合はただ有限位置が削れたことになりTOD勝負で不利になります。

勝率を5割から上げるための立ち回りのはずが、逆に直接攻撃を引けるかという5割に収束してしまうのは本末転倒なので、ミラーに関しては逆転を狙う場面以外ではオーロンゲで残飯を奪いに行くプレイングはしないよう心掛けました。

5. 個体紹介

記事のメインはここではないので簡潔に。

@食べ残し 吞気HB
・持ち物はともかくとして入れない理由がない
・ゴーストタイプなのでにげられない状態(とおせんぼう、背水の陣など)やバインド状態(炎の渦、渦潮など)が無効なのが偉い
種族値的にはAに振った方が効率が良いが、オーロンゲ入りには殴る機会が少ないので耐久振り
・プレッシャーがすごい

@黒いヘドロ 吞気HB
・ヨノワールと同様ゴーストタイプなので色々偉い
・呪われボディは1対1ほどの強さはないが、交代を強要して残飯回復を確実に行える点が強い

@ジャポのみ 呑気HB
・オーロンゲ入りには残飯を奪った後引くことが多いのでジャポのみ
・数的有利を取った時は事故を防ぐために鉢巻や眼鏡を盗りにいくこともある

ゴツゴツメット 勇敢AB
・対面で殴るので対面で強い持ち物と努力値振り
・毒の定数ダメージは喰らうと致命的なので免疫

@オボンのみ 呑気HB
・3匹目を見せていないときに相手が警戒してTODをしにくくなる
・ほぼ見せポケ

@命の珠 呑気HB
・見せポケ
・一応オーロンゲ出しづらいかな?程度


6. 勝率を上げるためのあれこれ

  • 色違い

色違い個体にすることで、交換の際に表示されるエフェクトで総合時間が消費され、相手が一撃技などを引く試行回数を1ターン少なくできる可能性があります。
このルールでは、数的有利やHP割合で大きく差をつけているときに交換によって自滅リスクをなくしながら時間稼ぎをすることがよくあります。
一方、不利な際は指を振ってHP差を縮めなければならないので、基本的に交代をする暇はあまりありません。

基本的にはメリットこそあれデメリットはほとんどないので、可能なら色違いにすべきです。

ちなみに通常色違いと菱形色違いの時間は変わらなかったので、どちらでも問題ないです。

こちらも色違いと同様に、二つ名がメッセージに表示される時間を使うことが出来ます。
色違いと比べるとごくわずかですが、塵も積もれば1秒か2秒くらいにはなっているかもしれません。

最長の証は野生産の「なにもかんがえていない」(11文字)ですが、剣盾の乱数調整には疎いため流石に諦めました。

代わりに、過去作で色乱数が出来るポケモンには「アローラチャンピオン」(10文字)、オーロンゲは「ガラルチャンピオン」(9文字)を付けました。

通常のダイマックスとキョダイマックスの演出時間を計測したところ、キョダイマックスの方が0.1秒程度長い可能性が出てきたので、カビゴン、ゲンガー、オーロンゲに関してはキョダイマックスで採用しました。

ただし、手動計測を数回行って平均を取っただけなので、誤差の範囲内である可能性もあります。

  • HPバー

前述の通り、毎試合TODになるルールなので、相手のポケモンのHP割合を知っておくことは非常に重要です。
そこで、モニターにHPバーを貼り毎ターンお互いのHP割合を計算するようにしました。

これにより、HP割合が現在どれくらい有利なのか、不利なのかをより正確に確認することが出来るため、時間を使うのかまだ指を振るのかという判断を間違えることが殆ど無くなりました。

  • TODの時間の使い方

序盤は基本的に即決し、自分の持ち時間をなるべく残すことを心がけます。試合後半に自分が有利であれば選択時間の45秒を目一杯使って行動します。(考え方は普段のランクマと同じ)

毎ターン即決していれば試合時間が残り10分を切るくらいのタイミングでも持ち時間は6分以上残っているはずです。そこから持ち時間をフルで使うと、ダイマックスの演出も込みで8〜9ターンで試合が終わるので、それを目安に時間を使っていました。

一撃技が効かなくなり、またこちら側も指を振らないため自爆のリスクを回避できることから、有利な状況での詰めで利用します。

相手に積み技を積まれることなどを考えると、なるべく最後にダイマックスを切った方が良いです。

目安としては、残り時間が4分を切ったターンにダイマックスをするとダイマックスが切れると同時に試合終了になります。

緊急的なダイマックスの切り方としては、ころがる、メテオビーム、ゴーストダイブなどの高火力技が飛んでくることが確定しているとき、ほのおのうずなどから解放されるまでのバインドダメージを少しでも減らしたいとき、少し特殊な例だと相手の高火力ポケモンのPPが残り少なく、ダイウォールで安全にPPを消費させたいときなどがあります。

たべのこしや黒いヘドロを持ったポケモンダイマックスレベルを下げることでダイマックス中の回復効率を上げることが出来ます。
しかし、その一方で被弾した攻撃のダメージも実質増えてしまうため、得をする場面も損をする場面も出てきます。

具体的には、
残飯3回-被弾1回>0であれば得
残飯3回-被弾1回<0であれば損

ということになります。

ゲンガーやヨノワールの耐性を考えれば確かに得をするケースの方が多いです。しかしそもそもダイマックスを切っているのはこちら側が有利な状況であり、ダイマレベルを下げて得をしたHPが勝敗を分けるよりも、その分被弾のダメージが増えて有利だった対戦が五分~不利になってしまうケースの方が多そうだと思ったため、今回はダイマックスレベルは10で使用しました。

また、ダイマレベルを下げた恩恵が最も大きそうなケースはお互いのHP割合がほぼ同じときですが、そもそもその場合であればこちらも指を振った方が有利を維持できるのではないかと思っているので、個人的にはダイマレベルは10の方が勝率は上がるかな、と思っています。

☝️おわりに

指振りの運ももちろんありますが、PP管理やTODの判断、指を振るべき場面なのかの見極めなど細かい部分を徹底することが勝率の底上げ(というより勝率を無駄に下げないこと)に繋がるため1試合1試合がすごく疲れるルールでした。
しばらく20分あれば1試合指触れるな…と考えてしまう呪いに苛まれそうです。

ともかく、2位といういい順位で終われてよかったです。今年はいい年になるといいですね。
次はこれよりいい順位もとりたいです。

では。