はじめに
こんにちは。
S17のスペシャルレートは「lv1シングル」でした。
剣盾にはスペシャルレートがないらしいので最後のスペレということになりますが、いい結果が残せてよかったです。
レベル1ルールの特徴
もう既に色んな人が纏めていると思うので、ここでは対戦に関する点だけ抜粋して紹介しておきます。
興味がない、もしくはそのくらい分かってるよ、という人は飛ばしてもらって結構です。
- ステータスについて
今回は努力値が振れるので、種族値に対してとれる最大実数値は以下のようになります。
種族値 | 実数値 |
---|---|
〜52 | 6 |
53〜102 | 7 |
103〜152 | 8 |
153〜202 | 9 |
203〜 | 10(補正込み11) |
ステータスの計算式に当てはめれば出てきますが、対戦中にちまちま計算する訳にもいかないので最低限これだけ覚えておきましょう。
ポケモンによって実数値がそこまで変わるわけではないので、種族値よりも特性や道具による補正の影響が普段よりも大きいです。
進化前がかなり多いルールということもあって、環境に存在するだいたいのポケモンがS7帯に集中しています。
S7での同速が結構な頻度で起こるので、それを上手く回避出来るかが大事です。
- ダメージ計算について
レベル1のダメージ計算はレベル50の感覚とズレが生じる場面が多くあります。
例えば同じポケモンの同じ技でも、命の珠を持つよりもプレートの方が強くなることもあれば、鉢巻を持つより命の珠の方が強いこともあります。
これは命の珠の倍率はダメージにかかるのに対し、他の火力アイテムの倍率は威力にかかることが原因で起こる現象です。
また、計算の途中で小数点以下が発生した場合切り捨てをするという処理により、火力アイテムを持っても与ダメージが変わらないことも良くあります。
技や持ち物を決める際にはとにかく構築段階でダメ計を回しまくりましょう。
また、連続技は最低1ダメージが保証されている仕様上実際の威力以上にダメージを稼ぎやすいです。
特にタイプ一致威力25の連続技については、【攻撃側のA≧防御側のB】となる相手には1発3〜4ダメージを叩き出すことが出来るので、スキルリンクのポケモンが使えば等倍相手は即死です。
また、受け出ししてくる半減に対しても最低5ダメージを与えられるため受け出しが非常に難しい点も強いです。
- 持ち物について
数値の低いこのルールでは固定回復のオレンの実、きのみジュースが非常に強力です。
オレンのみ: HPが1/2以下になった時、HPを10回復する。
きのみジュース: HPが1/2以下になった時、HPを20回復する。また、虫食いやついばむで奪われない。
これらは普通に使っても強いのですが、上記の連続技に対するメタとして働くという点の評価が高いです。
そのため、この持ち物を持たせる場合連続技を使うポケモン( )に強い構成にするのが望ましいと言えます。
また、連続技に強い持ち物という点では進化の輝石も当てはまります。
連続技は【攻撃側のA<防御側のB】となった場合に大きくダメージが落ちてしまうという弱点があり、具体的にはタイプ一致かつ威力25の場合でも、1〜3ダメージ(1/16で3ダメージ、15/16で1ダメージ)に抑えることができます。
よく強いと言われる連続技ですが、この辺りの要素を上手く構築に組み入れると良い感じに戦えると思います。
構築の経緯
まず、同速の起こりづらいS8の中で最も対面性能が高い珠チラチーノを採用。
スカーフやオレン殻破を考えるとチラチーノが居座りたくないパルシェンに対して安定した引き先になれる点や、ほっぺすりすりで同速勝負を回避出来る点を評価してきのみジューストゲデマルを採用。
チラチーノの技が通らない輝石ポケモンの中で唯一火力が高く警戒しなければならないアサナンに強く、また対面選出の駒としても優秀なミミッキュを採用。
ガルーラ+ミミッキュのような対面選出へのある程度の回答として、これらを纏めて誤魔化せる輝石ガーディを採用。
ここまでである程度完成度の高い構築になったと思ったので、残りの2匹を入れ替えながら戦っていました。
(一度だけウインディに浮気した)
(〜1750まで)
↓↓↓
(〜1800まで)
↓↓↓
(〜1840付近まで)
↓↓↓
(〜1859 ラスト数戦)
今回は最終的に使用していた形で紹介していこうと思います。
個別解説
チラチーノ
実数値:13-7-7-×-6-8
特性:スキルリンク
持ち物:命の珠
技構成:タネマシンガン/ロックブラスト/めざめるパワー(炎)/身代わり
まず、チラチーノの持ち物候補について解説しておきます。
それぞれの強化アイテムとダメージの関係を示したのが以下の表です。(括弧内は最高乱数)
持ち物なし |
シルクのスカーフ |
命の珠 |
拘り鉢巻 |
|
---|---|---|---|---|
B7 | 3 (4) |
3 (4) |
4 (5) |
3 (4) |
B8 | 1 (3) |
3 (4) |
1 (4) |
3 (4) |
タネマシンガン・ロックブラスト
持ち物なし |
プレート系 |
命の珠 |
拘り鉢巻 |
|
---|---|---|---|---|
B7 | 2 (3) |
2 (3) |
3 (4) |
2 (3) |
B8 | 1 (2) |
2 (3) |
1 (3) |
2 (3) |
チラチーノの強みの一つとして、広い縛り範囲が挙げられますが、それを実現させるためには命中85%のスイープビンタをメインウェポンにする必要があります。
これはスペシャルレートのマッチングを考えると自殺行為と言っても過言ではないです。
そこで、B7の相手に対しタネマシンガンで確定を取ることが出来る点を評価し、命の珠を採用しました。
一応、命の珠の恩恵として皮の残っているミミッキュでも35%ほどで倒せたりします。
そして、珠を持つ場合、スイープビンタを採用する理由が無くなるので、技枠を1つ開けることが可能になります。
(タネガンロクブラと確定数が変わらず、それらが通らない相手にはスイープビンタも通らないため)
次に、残り2つの技を決める上でタネマシンガンとロックブラストが通らない相手を考えましょう。
それはB8以上で草・岩が等倍以下のポケモン、もしくは鋼タイプです。
具体的には、この辺り↓のポケモンが該当します(環境に存在するもののみ抜粋)。
それらに対する最大打点としてめざめるパワー炎を採用しました。
珠めざ炎は4倍の相手は当然確定1発を取れ、2倍の相手にも8〜10ダメージ与えられるので、タネマシンガン等に後出しした際に食らう5ダメージと合わせて綺麗に突破することが出来ます。
後投げされたゴツメと思われるトゲデマルにこのムーブが良く刺さり、何度もアドを稼ぎました。そもそも接触技がないのでうっかり触ってしまう事故も起こり得ません。
攻撃技は以上の3つで完結しているため、最後の枠には立ち回りの幅を広げられる身代わりを採用しました。
この技の採用により、トゲデマルを身代わり(ほっぺすりすりを耐える)→タネガン→めざ炎を動きで対面から麻痺を入れられずに突破出来たり、毒守身代わりリサイクルのコイルや鬼火を持っているミミッキュにも強く出られます。
この技のおかげで選出出来る相手も増え、かなり使い勝手の良い強い技でした。
トゲデマル
実数値:13-7-7-6-7-7
特性:頑丈
持ち物:きのみジュース
技構成:10万ボルト/アイアンヘッド/ほっぺすりすり/リフレクター
特性頑丈、連続技耐性、S操作とクッション枠としてこの上ない性能を誇るポケモン。
lv1シングルにおいて貴重な同速回避の手段の1つであるほっぺすりすり、麻痺と相性が良くミミッキュ等への打点となるアイアンヘッドは確定です。
電気技はこれまた怯み効果があるびりびりちくちくを採用したいところですが、主な役割対象であるパルシェンが落とせない点が気になりました。
(ついでに言うとほっぺすりすり+びりびりちくちくでもほぼ倒せない)
本来の役割が怪しくなっては本末転倒ということで、パルシェンを確定で落とせる10万ボルトを採用しました。
10万ボルトとアイアンヘッドの指数はB7、D7の相手に6ダメージと少し物足りないですが、ほっぺすりすりの1ダメージを合わせることで13-7ラインをぴったり3回の攻撃で落とせることになります。
これはトゲデマルが行動出来る回数と噛み合っており、対面性能もかなり高いです。
最後の技についてですが、初めは身代わりを採用していました。
ツボツボで起点を作りコータスなどで積むような構築に対し、初手で投げて身代わりを残しながらツボツボを突破し、裏のエースに麻痺を入れられる点が評価点です。
また微妙なHPの時に自発的にきのみジュースを発動させることも出来ます。
強かったのですが、後述のアサナンの採用により身代わりの必要がなくなったため、チラチーノが擬似的に同速回避できるリフレクターを採用しました。
相手のチラチーノやプテラなどのS8のポケモンにはトゲデマルで麻痺を入れて裏のチラチーノが上から殴れることが理想ですが、それらが裏に居て麻痺を入れられない場合でも死に際にリフレクターを貼ることでチラチーノが打ち勝てるようになります。
なかなか使用頻度が高い技ではないですが、この技のおかげで勝てた試合もあり採用する価値はある技だと感じています。
ミミッキュ
実数値:13-7-7-×-8-7
特性:化けの皮
持ち物:ミミッキュZ
技構成:じゃれつく/影撃ち/剣の舞/トリックルーム
lv1のスタッツとしては化けの皮が無くてもかなり高い部類に入り、特にD方面はテクスチャー後のポリゴンZの10万ボルトを耐える程です。
その性能を活かして積みに対する切り返しの役割を期待して、トリックルームを採用しました。
特にねばねばネット構築に対しては強いカウンターとなります。
残りの技は最も強い構成にしました。
鬼火+ドレインパンチのようなミミッキュも強いですが、ミミッキュZの方がより広い範囲と撃ちあえるのと、鋼に対しては役割破壊では無くチラチーノやガルーラと合わせて役割集中の形を取っているので必要ないと判断しました。
ガーディ
実数値:13-6-6-6-6-7
特性:威嚇
持ち物:進化の輝石
技構成:ニトロチャージ/朝の日差し/鬼火/燃え尽きる→毒々
という流れで強い炎タイプを探しているときに発見しました。
輝石+威嚇+高速再生技を同時に満たせるのはこのポケモンだけです。
環境上位に物理が多く、刺さりが良かったため鬼火と物理を受けるための朝の日差しは確定。
また、相手を削りながらSを上げることで裏にも上から鬼火を通せるようになるニトロチャージも優先的に採用しました。
ラストの技は、相手を大きく削れるメインウェポンとして使いつつ、弱点を消すことで受けられる範囲を広げられる燃え尽きるを採用していました。
環境が進むにつれて炎タイプ( )が増えてきたので、炎技の通りが悪いと感じ毒々に変更しました。
最低でも厄介な相手に後投げして鬼火を入れるクッション的な役割をこなせるのが強いです。
ガルーラ
実数値:14-8-7-6-7-7
特性:肝っ玉→親子愛
持ち物:ガルーラナイト
技構成:捨て身タックル/不意打ち/大文字/猫騙し
メガ枠で最も対面性能が高いガルーラを採用しました。
(そもそもメガ枠が必要なのか、という疑問はあると思いますが、持ち物の圧縮という点を考えると自ずと入ってくるのかなと考えています)
とはいえチラチーノを差し置いて出したい場面はあまりなく、ひたすら対面で殴っていれば勝てそうな相手に選出していました。
技は対面性能を引き上げる猫騙しは確定。
(ダメ計すれば分かりますがこの技が有ると無いとでは倒せる範囲が結構変わります)
他の技は猫騙しと合わせてパルシェンを倒せる捨て身タックル、鋼を大きく削れる大文字、同速回避用の不意打ちで運用しました。
ただこの枠は環境初期から殆ど変更の無いまま使っていたので、より良い技構成があるかもしれません…
アサナン
実数値:12-6-7-×-6-7
特性:ヨガパワー
持ち物:気合いのタスキ
技構成:ドレインパンチ/岩石封じ/バレットパンチ/猫騙し
戦っていて積みに対するストッパーが足りないと感じたので入れてみました。
(このルールの積みが強いことが周知され始めた)
きあいのタスキを持つ以上、単体で相手を倒せる火力を出す必要があります。
今回はドレインパンチでタスキを回復する動きが面白そうなアサナンを採用してみました。
具体的には、ツボツボ+積みエースのような構築は、ツボツボにドレインパンチを連打するだけでタスキを残したまま突破することが出来ます。
残りの技はストッパーとしての火力を補強する猫騙し、バレットパンチは入れたいです。
最後はコータスが積む隙を与えたくないという理由で岩石封じ。
S7の同速相手を岩石封じ+ドレインパンチで倒したりと使う機会は多いです。
ミラー意識で思念の頭突きやサイコカッターを採用している人もいますが、個人的にはこの技構成が最善だと思っています。